日頃から応援してくださっている市民の皆さま、そして市役所で日々業務にあたっている職員の皆さまに向けて、最近の私の中で強く感じていることを記しておきたいと思います。
世間一般を見渡すと、行政分野に限らず「行政の肥大化」が起きていると言われています。
実際に自治体の現場を見ても、事業数や予算額は年々増え続けており、その一方で、職員の皆さんとの会話からは「先のことを考える時間が取れず、目先の対応に追われている」という声を多く聞くようになりました。
こうした状況を、あえて比喩的に表現するなら、
「刃を研ぐ時間がないまま、切れない斧で力いっぱい木を切り続けている状態」
だと感じています。
本来であれば、少し立ち止まって道具を整え、やり方を見直せば、もっと少ない力で、もっと良い成果を出せるはずです。しかし現実には、目の前の作業をこなすことで精一杯になり、未来のための時間が削られていっている。
そのことを、私はとても「もったいない」と感じています。
ここで誤解してほしくないのは、「新しいことを否定しているわけではない」という点です。
仮説を立てて挑戦すること自体は重要です。ただし、マーケティングや検証が不足したまま、効果を測りにくい事業や、イメージや感情論に依存した取組を重ねていくと、目的が曖昧になり、関わる人のモチベーションも維持しにくくなります。
私が考える「整理」とは、足し算ではなく引き算です。
プレゼンテーションでも同じですが、伝えたいことを増やしすぎると、結局何が一番伝えたいことなのか分からなくなってしまいます。
足し算ではなく、引き算を重ねることで、最後まで残ったものこそが、本当に伝えたいこと(優先順位)です。行政においても、足し算ばかりではなく、引き算的に考え、まずはそこを明確にすることが重要だと考えています。
よくある「〇〇なまちを目指す」といった夢を描く表現も大切です。しかし、まちづくりは最終的には現実的な事業設計の積み重ねです。
理念だけでなく、限られた人・時間・予算の中で、何を優先し、何を見直すのか。その判断を丁寧に行うことが、持続可能な市政運営につながると考えています。
また、情報があふれる時代だからこそ、世間の情報をそのまま伝言ゲームのように広げたり、無批判に信じたりするのではなく、一度立ち止まって客観的に物事を見る視点を持つことが大切です。
私自身も、そうした姿勢を忘れず、現場を見ながら、足元の整理を続けていきたいと思います。


